受験資格については、洋ランなどの栽培をしている親戚を手伝わせてもらうことによって満たしました。
またこの分野の知識習得に少しでも役立つようなセミナーや講習会や研修などがあれば、有料無料問わず、また座学か実地かを問わず、片っ端から参加しました。
著名な先生が来られて1回きりの講演を聴くようなこともあれば、JAが主催する農業塾のように継続的に通って、果樹栽培や野菜栽培について実践的な手ほどきを受ける機会も持つたといいます。
幸い自分のところに畑や山地があったので、外でいろいろと教わったことを実際に試してみることができました。
またいろいろな人のハンギング(バスケットに入れて、吊り下げたり、壁にかけたりする栽培方法)や寄せ植えも手伝いました。
そうした時間の過ごし方をしながら、知識と経験の両面から、グリーンアドバイザーに相応しい力をつけていったのです。
グリーンアドバイザーを目指す一年もの間、職を得るための活動を完全に休止していたわけではありません。
途中で二社ほど、ホームセンターの採用に応募したときに、雇う側はにわか知識ではなく、かなり専門的実践的な知識なり経験を求めているのだということを改めて感じたといいます。
きちんとしたスキルを持っていると認められたうえでこの分野で職を得るためには、当時取得を目指していたグリーンアドバイザーという資格が、有効であることが再確認できたわけです。
Tさんの頭のなかには、わずかでしたが独立ヽ起業ということもあったといいます。
ですから、前述したような園芸などに関係したセミナーや講習とは別に、商工会議所など公的機関が開催する創業支援セミナーにも何度か参加しましたが、結局はそうした選択肢は除外したといいます。
「本当に起業を志し、五年くらいかけてそのための準備を行なってきたというのならいざ知らず、私の場合はやはりリスクが大きすぎると判断しました。
もちろん、いろいろな補助金制度を国は用意しているし、一円でも会社は起こせます。
でも起業できても、その後が続かなければ意味がない」Tさんは続けます。
「前職では、会社の窮状は知りながらも、会社が現場で希望退職を募るそのときまでは、『皆で力を合わせて、なんとかこのピンチを乗り越えよう』と、全力で取り組んできました。
『外の世界に出てなにをするか?』みたいなことを考えながら、前の仕事をこなしていたわけではありません。
そんな準備不足の状態で、大事な退職金をつぎこんで、いきなり創業だなんて……そんなに世の中、甘くない。
失敗のためのスタートを切るようなものだ。
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